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宅建 辻説法 YouTube Collection

■目次

権利関係

民法~制限行為能力者(第11回)
民法~復代理(第20回)
民法~無権代理人の相手方の保護(第19回)
民法~条件・期限(第13回)
民法~抵当権の仕組み(第6回)
民法~相殺(第12回)
民法~手付(第4回)
民法~売主の担保責任(第5回)
民法~相続(第10回)

宅建業法

「宅地」の意義(第17回)
「宅建業」の意義(第7回)
宅地建物取引業者の定義(第14回)
免許権者(第15回)
免許換え(第16回)
専任の取引主任者(事務所等)(第18回)
重要事項の説明1(第1回)
重要事項の説明2(第2回)

法令上の制限

都市計画法 開発行為(第3回)
国土法(第8回)
農地法(第9回)

No.1326[じっくり解説]

本日の内容は、「じっくり解説」で不動産登記法の仮登記についてです。

いつものように、まずは問題文(平成10年 問15 肢3)からです。

「抵当権設定の仮登記に基づき本登記を申請する場合に、その本登記につい
て登記上利害関係を有する第三者があるときは、申請情報と併せて抵当権者
の承諾を証する当該抵当権者が作成した情報を提供しなければ、当該本登記
を申請することができない。」

これに関する条文は、不動産登記法の109条です。

ちなみに、最近の不動産登記法の問題の傾向は、条文の言葉をそのまま問題
文にしていることが多いので、ちゃんと読んで下さい。

第109条 所有権に関する仮登記に基づく本登記は、登記上の利害関係を
有する第三者がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請す
ることができる。
2 登記官は、前項の規定による申請に基づいて登記をするときは、職権で、
同項の第三者の権利に関する登記を抹消しなければならない。

たとえば、A→B売買予約でBが仮登記した後、A→C売買契約でCが本登
記をしたという事例で考えましょう。

先ほどの条文で「登記上の利害関係を有する第三者」というのは、上の例で
いうと、Cのことです。したがって、Bが仮登記から本登記をするには、C
の承諾が必要だという意味です。

そして、Bの仮登記から本登記への申請があれば、登記官は、職権で、第三
者(C)の権利に関する登記を抹消しなければならないとされています(第
2項)。

このように所有権に関する仮登記に登記官の職権による抹消という手続を要
求したのは、所有権というのは最も基本となる重要な権利だから、登記記録
上、Bの登記と両立しないCの登記を残したまま、Bの登記をするというの
は混乱する可能性があるからです。

そこで、Cの承諾+登記官によるCの登記の抹消という手続を設けたわけで
す。

ただ、注意してほしいのは、Bの仮登記が「所有権」ではなく、抵当権のよ
うな「所有権以外の権利」の仮登記であった場合です。この場合は、利害関
係を有する第三者の承諾は不要で、Cの登記抹消もしないということです。

109条も「所有権に関する仮登記に基づく本登記」という表現になっていま
す。

たとえば、A→B抵当権設定仮登記、その後A→C売買契約でCの所有権移
転本登記という場合ですが、仮にBの抵当権設定仮登記が本登記になったと
しても、Cの所有権が奪われるわけではありません。

したがって、Cの登記を抹消することはできないはずです。

この場合、Bの抵当権の仮登記には順位保全効があるわけですから、BはC
の所有する不動産に抵当権を有しているということになります。

Bの仮登記が所有権である場合は、Bの所有権とCの所有権は両立しないの
で、Cの所有権の登記を外して抹消しないといけませんので、そのためCの
承諾が必要です。

ところが、Cの所有権とBの抵当権は両立しますので、Cの承諾がなくても、
Bは抵当権をCに対抗できるとすればそれでいいわけです。

以上より、本問は「誤り」ということになります。

No.1321[じっくり解説]

本日は「じっくり解説」で、内容は、宅建でも非常によく出題される「物権
変動」、つまり登記を対抗要件とするという問題です。

「Aは、自己所有の建物をBに売却したが、Bはまだ所有権移転登記を行っ
ていない。この建物がAとEとの持分1/2ずつの共有であり、Aが自己の
持分をBに売却した場合、Bは、Eに対し、この建物の持分の取得を対抗で
きない。」

この問題の意味は分かると思います。

A・E共有の建物について、Aが自己の持分をBに譲渡します。

共有の復習ですが、共有「持分」は、他の共有者の同意なく譲渡することが
できます。

したがって、Aは自己の持分を、Eの同意なくBに譲渡することができます。

そして、本問ではBは未登記です。

そこで、Bは登記なく、Aの持分の取得を、Eに対抗できるのか?というの
が本問の趣旨です。

この問題は、私には典型的な二重譲渡の問題とは異なります。

Aが自己の持分をBとEに二重に譲渡したというわけではないからです。

つまり、Aの持分について、EとBは直接相容れない関係にはありません。

そして判例は、民法177条は、「不動産に関する物権の得喪及び変更は、不
動産登記法その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしな
ければ、第三者に対抗することができない。」となっています。

判例は、本問のBはこの民法177条の「第三者」だとしています。

つまり、Bは「不動産に関する物権」=所有権を取得しているわけですが、
この所有権の取得は登記がないと第三者(E)に対抗できないとしているわ
けです。

判例(最判昭46.6.18)で問題になった事例では、Eが共有物の分割を行う
ときに、誰を相手にすればいいのか?AかBかどちらを相手に共有物の分割
をするのかが問題になったわけです。

そこで、Bに登記がない限り、Aを相手にすべきだ、という判決が出たわけ
です。

Eとしては、登記もないような譲受人Bを相手にするわけにはいかないわけ
です。

この実は177条の「第三者」(登記がなければ対抗できな第三者)の意味に
ついては、いろいろな説明の仕方がありますが、宅建試験の範囲では、上記
程度の理解でよいかと思います。

No.1320[一問一答]

AがBの代理人としてCとの間で、B所有の土地の売買契約を締結しようと
している。AがBに無断でCと売買契約をしたが、Bがそれを知らないでD
に売却して移転登記をした後でも、BがAの行為を追認すれば、DはCに所
有権取得を対抗できなくなる。[H14-2(4)]

続きを読む No.1320[一問一答]

No.1319[一問一答]

Aは、自己所有の甲地をBに売却し、代金を受領して引渡しを終えたが、A
からBに対する所有権移転登記はまだ行われていない。Aの死亡によりCが
単独相続し、甲地について相続を原因とするAからCへの所有権移転登記が
なされた後、CがDに対して甲地を売却しその旨の所有権移転登記がなされ
た場合、Bは、自らへの登記をしていないので、甲地の所有権をDに対抗で
きない。[H17-8(2)]

続きを読む No.1319[一問一答]