本日は、「じっくり解説」で、宅建業法の最もポピュラーな論点の一つであ
る「自ら売主の制限」の中の、これまたポピュラーな「手付」に関する問題
です。
今日の問題は、勉強を始めたばかりの方で、気になる方もいる内容ではない
かと思いますし、また、他にも応用の利く問題ではないかと思います。
私などは、この手の問題はちょっと気になりますが、何はともあれ、まず、
問題を解いてみて下さい。
「宅地建物取引業者Aは、宅地の分譲を行っているテント張りの現地案内所
において、宅地建物取引業者でないBから宅地の購入の申込みを受け、自ら
売主として、売買代金を4,000万円とする売買契約を締結した。「Aが契約
の履行に着手するまでは、Bは支払い済みの手付金及び中間金を放棄して、
Aはその倍額を償還して、契約を解除することができる」旨を特約した。」
この問題は、ある程度勉強している人は、何の悩みもなく「×」とするでし
ょうし、それで正解です。
ただ本問の特約の内容を見てもらうと、「B(買主)は支払い済みの手付金
及び中間金を放棄して、A(売主)はその倍額を償還して」解除できるとな
っています。
このうち、「B(買主)は支払い済みの手付金及び中間金を放棄して」とい
う部分について、買主は手付金の放棄で解除できるはずで、中間金まで放棄
しなければ解除できないというのは、買主に不利な特約であり、この特約は
無効=宅建業法に違反するということになります。
これは、スンナリ分かる。
しかし、この特約には後半部分もあります。
「A(売主)はその倍額を償還して」という部分です。
ここで「その」倍額というのは、「手付金及び中間金」の倍額という意味で
しょう。
これは、買主にとっては、多くのお金が戻ってくるわけですから、買主に有
利となります。
つまり、この特約は買主に「有利」な部分と「不利」な部分が混在している
ことになります。
しかし、試験では特約「全体」として有効か、無効かという問われ方しか見
たことがあります。
このような場合、解答としては特約は有効とすべきか、無効とすべきか、迷
ってしまうこともあるかもしれません。
結論としては、特約の中に無効な部分があれば、その特約は「無効」と答え
るようになっているようです。
これは、問題全体の正解番号から推測すると、すべてそのようになっている
ということです。
この辺は、人それぞれご意見もあろうかと思いますが、試験ではそのように
解答して下さい。
逆に言うと、あまり難しく考えず、「特約の中に無効な部分があれば、その
特約は無効」ということで解答するということで割り切って下さい。